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リクルート体験談:元高校球児が独学で保育士資格を取得して、新園立ち上げ経験を経て、採用試験に挑んだエピソード

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2022/07/28

東香会が運営するののはな文京保育園は神奈川県相模原市の小田急線・相模大野駅近くの住宅街にあります。公立保育園の旧文京保育園の民営化に伴い、東香会が2009年から運営しています。今回は、唯一の男性保育士のりゅうせいさんに、東香会に中途入職したきっかけや、ののはな文京保育園の雰囲気についてインタビューしました。

プロフィール
りゅうせいさん 29歳(取材時)

2022年4月に既卒者(中途経験者)として東香会に入職
ののはな文京保育園で3歳児クラスの保育を担当
最近の趣味はキャンプや川遊びでのんびりと過ごすことで、お気に入りは奥多摩・檜原村です。川の生き物を採集したり、ケルン(石積み)をすることが楽しくて、坐禅のような自然と一体になるような感覚でリラックスできます。


どんな経験やキャリアを積んできましたか?

岩手県奥州市に生まれ、花巻東高校出身です。先輩にはメジャーリーグで活躍されている菊池雄星さん、後輩には大谷翔平さんがいます。わたしも野球部特待生として寮生活をしながら、キャッチャーとしてひたすら野球に取り組んでいましたが、高校3年生の時に大きな怪我をし野球の道は挫折してしまいました。

大学は東京に上京して、4年生大学で野球でも保育でもない政治経済学部で学びました。野球部監督の「銀行員がいいんじゃないか」というアドバイスをそのまま受け止めて選んだ進路です。大学卒業後は、求人情報メディア会社に就職して営業を担当しました。同期の仲が良くて環境も充実していましたが、求人広告を掲載してくれそうな会社に1日200件以上電話をかけたり、スタッフ管理が非常に厳しかったりする面もありました。社会経験を積んだ現在になっては理解できることもありますが、当時のわたしには、もっと自分の感覚を大切に自由に働きたいという思いが強くなって1年も経たないうちに退職してしまいました。

なぜ保育士を目指したのですか?

一般の大学を卒業して会社員だったわたしが、なぜ保育士を目指したか不思議に思われるかもしれませんが、野球部でキャッチャーをしている時に感じた「ピッチャーを育てる感覚」に理由があります。俯瞰して試合全体や相手バッターの状態を見ながらゲームメイクをし、そのなかでピッチャーの強みや本来備わっている特性を見極め伸ばし育てていくことがとても好きでした。そういった感覚と、これから大きく育っていく子どもたちに好きなことや目指すことを見つけるきっかけを作っていく保育の感覚が自分の中で重なりました。そういった理由で保育士に興味を持ち、大学生の頃には保育関連のセミナーやワークショップなどに参加したこともありました。

求人情報メディア会社を「保育士になります!」という理由で退職しましたが、それまで保育についての専門的な勉強をしたこともなければ、保育士資格も当然持っていませんでした。何らかの仕事をしなければ生活もできないので狛江のクラフトビール店に勤めた…というよりは拾ってもらいました。「保育士になるための勉強をしながら働かせてください」という無茶なお願いを受け入れてもらったんです。

保育士資格取得のための勉強は完全に独学で、半年に1度ある試験には2回落ちました。試験会場を見渡しても男性は少なく、少し場違いに感じる環境でしたが、半分意地になってトライを続けた結果、3回目でようやく合格できました。

保育資格取得の勉強をしながらたくさんの保育園でインターンもしました。北海道から熊本まで全部で10ヶ所ぐらい、子どもがのびのびとしていて特色のある保育園を選んで訪問し、さまざまな園の文化や仕組みを勉強させてもらいました。

ユニークな挑戦でしたね。その後、東香会に入職したのでしょうか?

保育士を目指し始めた時には、フリーランス保育士として研修事業などをしていた方に相談にのってもらいました。大学生の頃に開催された保育のワークショップに参加したことをきっかけに知り合って、営業職を辞める時やインターン先の保育園探しにもアドバイスをもらいました。

保育資格が取得できたことを報告すると、その方から新しい保育園の立ち上げを一緒にやらないかと声をかけてもらいました。新設保育園には40名の職員と1学年10〜20人ほどの子どもたちがいて、わたしは学年主任や広報担当などいろいろな業務を兼任しました。子どもたちにとってどんな環境と物が必要か、おもちゃ1つテーブル1つ取ってもみんなでゼロから”子どもにとってのいいこと”を話し合って決められることは楽しかったです。

まるでスタートアップ企業のような激動の中で、職員間でのコミュニケーションやマネージメントには苦労しました。それぞれ人の性格は違うので、これまでの経験/やり方をあまり変えたくないという保守的な人もいれば、子どもにとってはどんどんと変えていった方が良いという革新的な人もいて、話し合いが膠着状態になってしまい、議論が進まなくなることもありました。

全て初めてのことばかりの新設保育園では、難しいことであっても果敢に取り組んでいかなければならないこともあれば、同時にそこにはリスクを慎重に考える必要もあります。有機的に話し合うために職員のワークショップを開催したり、すれ違ってしまっている間に入ってコミュニケーションの橋渡しをしたりしましたが、わたし自身の力不足や経験不足もありまとめきることはできませんでした。4年間いろいろ頑張ってみましたが、なかなかうまくはいかず、そこにいることが辛くなってきて、違う環境に行ってみたいと考えるようになりました。

そんな時に目にしたのが、ののはな文京保育園の採用のお知らせでした。2022年3月に保育士の空きが出ていて、その枠に応募しました。当日の受験者はわたし1人で、まずは園庭で1時間ほど子どもたちと過ごす時間がありました。面接は理事長の紘良さんと石川園長と行い、リモートで東香会の全施設長が出席していました。どんな経験を重ねて、そこから何を学んだかなど、いろいろな質問を受けて面接時間は1時間半を超えました。

ののはな文京保育園はどんな雰囲気ですか?

ののはな文京保育園は子どもたちの人数が多くて1学年で30名を超えています。以前勤めていた園は少人数で、保育士の一つ一つのアクションが子どもたちに影響しやすく、遊びのきっかけは保育士が提供することが多かったように思います。一方、ここでは子どもの人数が多いこともあり、子ども同士の関係性やアイディアできっかけが生まれていきます。保育士に全部をやってもらう受身ではなくて、できることは自分でやったり、大人を必要とせずとも子ども自身があそびの世界を広げてリズムを作っていくところに、ののはな文京保育園の強さとたくましさを感じています。

昼食の時間が特に象徴的なのですが、ののはな文京保育園では学年やクラスで一斉に「いただきます」はしません。「おひるごはんのじゅんびができました」という係の子どものアナウンスが流れると、1時間半の中で自分のお腹が空いたタイミングで食べ始めます。食事の席も自由なので天気の良い日にはテラス席を選んだり、今日はこの友達と食べようといった自由があります。

また、自分の顔写真のシールを持っていて、遊び途中のブロックなどに置いておくと、それがキープされて時間の都合で途切れてしまうことがなく、自分が納得するまでとことん好きな遊びに没頭することができます。子どもはそのことで自分が尊重されていること/ここは安心安全な場所であることを感じ取るのではないかと思います。

ののはな文京保育園に入職して、わたしの保育スタイルも子どもに任せるように変化しました。様子を見守って把握することに徹して、もちろん、子ども同士が揉めている場合やどうしていいか分からない…という時は間に入り、どちらの言い分も聞いた上でヒントを提示することはありますが、必要以上の言葉はかけないようになりました。

ののはな文京保育園は2009年に民営化されて東香会になる以前から長い歴史があるので、逆に新しいことには取り組みづらいのではと危惧していましたが、実際に入職してみるとそんなことは全くありませんでした。

また、東香会全体では男性保育士が15人ほどいるのですが、ののはな文京保育園ではわたしが唯一です。なので、はじめは他の保育士の方から話しかけてもらいづらいかなと思っていました。歳の近い同世代や民営化前から20年以上も勤めているパートタイムの方、29歳のわたしが息子の年齢と近いようなベテランもいらっしゃって、みなさんから極端に気を使われることもなく、優しく接していただいているのが有難いなと感じます。

現在は、3歳児の年少クラス32名を保育士5名で担当しています。リーダーと、もう1人は6年目のわたしと年齢の近い方です。毎日午睡の時間の中で子どもたち一人一人の様子や先の予定を共有して、課題があれば話し合っています。週一で3・4・5歳児の3クラスの保育士が集まったミーティングもあります。意見を求められ、提案も汲み取ってもらえます。保育園は園によって文化や決まり事が違うので、どうしてこれをやっているのか、なぜやることになったのか、新人には理由や道筋がわからないこともありますが、質問をすればちゃんと教えてもらえます。

誰かの提案から全体でそれが検討されて、実現/解決するまでの時間が1週間や1ヶ月などスピード感があります。話し合うだけじゃなくて、前に進むためにとりあえずやってみようという柔軟性には特に驚かされました。そこには、東香会全体の「すべて、子ども中心」の理念があって、ののはな的にもそれを考えて実行していこうという意識があるからだと思います。

ワークスタイルも働きやすい職場環境です。出勤はシフト制になっていて、早番は朝6:50で起床が5時ぐらいで大変な時もありますが15:35には勤務が終わります。遅番では10:45出勤で20:00までです。午睡の間で事務作業なども片付くので、残業も時期にもよりますがほとんどありません。土曜日は園全体で20名ぐらいの預かり保育をしており、平日に代休がとれます。有給休暇の取得も積極的に勧められています。

コロナ禍の対応もしっかり取り組んでいて、保護者が園内に入って来られるイベントも徐々にですが増えてきました。保護者面談では、家庭での生活では見られない園での様子を共有して、子どもの感情を中心に子育てについて一緒に話し合っています。

昔からの友達に、ののはな文京保育園の話をした時、「りゅうせいのいる保育園は良いな〜!将来うちの子ども預かってよ」と言ってもらえて嬉しかったです。


わたしの施設のお気に入りスポット
お気に入りの場所は2階テラスです。住宅街の中ですが空が開けていて日当たりが良く、園全体が一望できます。日向ぼっこしながら寝転がると気持ちが良いです。