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リクルート体験談:渋谷で子どもたちと苗から育てる野菜でおいしい給食をつくりたい 東香会の管理栄養士の1日

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2022/07/27

東香会が運営する 渋谷東しぜんの国こども園の給食はおいしいと保護者や職員にも評判です。毎日、園児・職員合わせ約120人分のお昼ご飯やおやつの調理を担当する栄養士のアミさんにインタビューしました。

プロフィール
アミさん 24歳(取材時)
大学を卒業し栄養士となって、新卒で給食委託会社に勤務して高齢者施設で2年間の調理経験
2022年4月に既卒者(中途経験者)として東香会に入職
渋谷東しぜんの国こども園で給食調理や関連事務を担当
特技は書道で社会人になってからも教室に通っています。先日はお寺の写経に出かけて、落ち着いた時間を過ごすことができました。


1日の仕事の流れを教えてください。

●出勤/始業
朝8時には園に到着して、着替えや身支度を済ませて始業は8時半です。まずは、キッチン室のシンクやテーブルを拭いて、毎朝の水道の水質検査を行います。その後は野菜を洗ったり、切ったりします。ちなみに今日のメニューは、豚肉のピカタ/ピーマンのきんぴら/お味噌汁/もちきびごはんだったので、前日夕方の下ごしらえの続きをして、こんにゃくを切って茹でたりしました。渋谷東しぜんの国こども園では、平日は子ども80人分、大人35人分、計115人分の給食を作っています。

●今日の打ち合わせ
9時には当日の献立の何を誰が担当するかをメンバーで話し合います。曜日によって変動もありますが6名のチームで調理していて、正規職員は先輩とわたしの2人で基本的なマネージメントをしています。献立は1ヶ月前に先輩が作成しています。

●給食の調理
それぞれの担当料理の調理を進めます。アレルギーにもしっかりと対応していて、大豆アレルギーの子どもへのお味噌汁であれば、出汁の中に具のジャガイモやインゲンなどを入れて、味噌を加える前に取り分けて、影響のない範囲で塩などで味付けをしています。

●検食
11時頃にできあがった食事を、必ず子どもたちが食べる前に施設長かマネージャーに確認のために食べてもらうルールになっています。

●配膳
乳児の食事は部屋までワゴンに載せて配膳します。幼児の食事は保育者がそれぞれ取りに来てくれます。

●休憩
使った鍋などの調理用具をみんなで片付けて、午後のおやつの調理の準備をした後に、12時頃から45分間のお昼休みです。キッチン内で自分たちも同じ給食を食べます。

●おやつの調理
おやつを作る人と、戻ってきたランチの食器を洗う人に分かれます。できあがったおやつは再び検食してもらいます。 おやつは毎日15時半頃です。ちなみに今日はカルシウムが豊富な「じゃこまめ」でした。普段はクッキーなどの焼菓子なども手作りします。

●翌日の仕込み
おやつの食器を片付けて、16時半頃まで翌日分の材料の準備をします。野菜の皮を剥いたり切ったりして、ビニール袋に入れて冷蔵保存します。

●夜の軽食の支度
渋谷東しぜんの国こども園では朝7時半から夜20時半まで子どもたちを預かっていますので、お迎え時間が遅い子どもはお腹が空くのでおにぎりなどの軽食を、もう少し帰宅時間の早い子どもにはお煎餅などを用意します。

●片づけ/終業
食材発注などの事務作業も終えて17時15分には終業です。基本的には残業はありません。土曜日も預かり保育をしていて給食やおやつの調理もあります。栄養士の資格を持つ正規職員が交代で勤務していて、土曜出勤の場合は平日が休みになります。

【昼食】
・もちきびごはん
・豚肉のピカタ
・ピーマンとこんにゃくのきんぴら
・味噌汁
栄養価だけでなく味付けや彩りえを考えた献立。特にチーズの入った「豚肉のピカタ」は子どもたちに大人気です。

【おやつ】
・じゃこまめ
・牛乳
子どもからは、お豆が美味しかったようで「ナイス!」と評価をいただきました。

なぜ管理栄養士になりたかったのですか?

小学生の頃から給食が大好きで、配布された献立表を見ては翌日のメニューを楽しみにしていました。特に嬉しかったのは甘く味付けされた揚げパンです。思い返せば、それが管理栄養士を目指したきっかけです。

自然の中で遊ぶことも好きで、自宅近所に母が畑を借りていて野菜栽培に触れ合う機会もありました。そんな中で食育に興味が湧いて、「食べることは楽しい」を追求したいと思い、栄養科のある大学に進学しました。

学生時代には2年間ほどNPO団体で漁業や農業のボランティアをしていました。漁業では岩手県の大船渡に出かけて、早朝に漁師さんの船に乗せてもらい漁の体験をして、終わってからは美味しいご飯を食べさせてもらいました。農業では喜界島のマンゴー農家に行きました。(実際にはマンゴーの収穫は終わっていて、暑い中ビニールハウスの掃除をして大変でした…!)10日から2週間くらい住み込みで働くボランティアだったので、貴重な体験もたくさんできました。

栄養士として働く大量調理の実践的な経験を積みたくて、給食委託会社に新卒で就職しました。さまざまな施設での食事の調理提供を代行している会社です。わたしは「子どもの食」に関わりたいと思っていて、実際に小学校や保育園などの配属先候補もあったのですが、希望がうまく通らず老人ホームの担当になりました。

しばらくは慣れない環境だったこともあって、ずっと仕事ばかりしていた記憶があります。就職時期が2020年でコロナ禍真っ只中だったのでいろいろなことに気も使いましたが、利用者の方が食事されている様子が見られ、お話する機会も多く、とてもやりがいを感じていました。

大勢の方向けに調理することにも慣れて、「子どもの食」への想いが再び強くなって転職を考え始めました。とはいえ、具体的な就職先が見つけられていたわけではなかったので、検索エンジンで「自然」「保育園」「給食」「調理」などの子どもの頃から心の中にあったワードを手あたり次第検索しました。

そこで、たまたま探し当て辿り着いたのが東香会の「しぜんの国」でした。ホームページを見て雰囲気が良さそうだなと直感的に気に入りました。それが2021年の7月頃で、就職希望者向けのオンライン説明会があると知って参加しました。この時点では東香会の運営する施設の中で、どこに栄養士の求人募集があるかは発表されていない状況で、後日に今回は渋谷のみで募集があることを知らされて9月の現地見学会に参加しました。渋谷でも渋谷東しぜんの国こども園のエリアには来たことがなくて、こんな都会の街中に保育施設があるのかと驚きました。

栄養士の2021年の採用試験は10月下旬の1日の日程でありました。面接試験のみでしたが、理事長や各施設長3〜4人と2回の面接を行いました。内容は自己PRをしたり休日の過ごし方を聞かれたりするものでした。思っていたよりも短く終わったので、少し心配になったことを覚えています。

実際に働き始めてみてどうですか?

大学ではアレルギーの研究をしていましたが、実習は病院や保健所などで保育施設ではありませんでした。また、家族や親戚など周囲に小さな子どもがいなかったので、最初は園の大勢の子どもたちに取り囲まれて緊張しました。子どもたちにとっては保育士も栄養士も区別がないようで、積極的に接してくれて嬉しく楽しいです。わたしも保育にもっと関わって子どもが興味をもっていくものを知って、それを引き出して「食」に関連づけて、いろいろなアイデアを実現させていきたいです。

最近だと、「食育の一環で夏野菜を育てたい」という話が給食メンバー間で出たので、保育士に相談したところ、子どもたちと一緒に育ててみようということになりました。土や苗はこちらで準備して植えて、子どもたちには水やりぐらいから手伝ってもらおうと思っていたら、先ずは子どもたちと一緒に苗を買いに行こうと提案されました。渋谷東しぜんの国こども園ではそんなことから子どもたちと一緒に始めるのだと思いビックリしました。そんな発想は楽しいし、ワクワクしますよね。

都会の渋谷の街の中で、苗が手に入るようなところはあるのか?とも思いましたが、子どもたちの朝の日課の「街歩き」の時間に、園から歩いて15分ほどの花屋で買うことができました。園の一階は一般の人も行き来する通りに面しているのですが、そこにプランターを並べてピーマン/トマト/枝豆/バジル/大葉を育てています。先日は子どもたちとピザを作ってバジルをのせて食べました。今度は枝豆から大豆を育てて、豆腐や納豆を一緒に作ってみたいと考えています。

給食室のメンバーは女性6名、男性2名です。音楽が好きな方がおり、その人がチョイスした音楽をかけながら調理することもあります。あと、献立はあらかじめ決めているのですが、その日によって作り方を変えてより美味しく食べてもらえるように試行錯誤しています。油で揚げる予定だったけれど今日はスチームコンベクションオーブン(炒める、煮る、揚げるなどが1台でできる大量調理機器)でやってみようなど、調理方法を変えて作業効率の向上を目指しています。

先輩の柔軟なマネージメントや、メンバーの年齢層が若いこともあって、意見やアイデアを出しやすい雰囲気です。


わたしの施設のお気に入りスポット
私のお気に入りの場所は、キッチン室に窓があって、そこからお茶やおやつを明け渡すカウンターです。高さがあって子どもたちの背丈では届かないので、椅子を踏み台にして、さらに背伸びをして一生懸命話しかけてくれる様子がとても微笑ましくかわいらしいです。


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