園庭の真ん中に築山を!ののはな文京保育園の挑戦
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2024/05/02
社会福祉法人 東香会の各施設の施設長に、保育統括理事 青山誠がインタビューし各施設の魅力をお伝えします。
今回は、ののはな文京保育園 施設長 野﨑亮子へのインタビューをお届けします。
ののはな文京保育園の概要はこちらをご覧ください。
保育統括理事 青山誠:
ののはな文京保育園は、小田急 相模大野駅から歩いたところにあって、周りは自然が豊かな環境です。
中庭のような園庭があり、どの部屋からも園庭にアクセスできるのびのびした保育環境です。
昨年4月から野﨑さんが園長になって、職員とともに今いろいろと保育や環境を変えているところだと思いますが、そのあたり伺えればと思います。
ののはな文京保育園 施設長 野﨑亮子:
園長になって、「すべて子ども中心」という法人理念を念頭に保育をしていこうと考えていて、まずは運動場のように平坦だった園庭を変えてみることにしました。
それに伴い、子どもたちの遊び方も、保育者からの一方的なルールのようなものを見直して、子どもの力が出せるような園にしたいと思い、取り組んでいます。
青山:
キーワードはありますか?
野﨑:
「子どもの思いに近づく」ですね。これまではどうしても大人の都合が少し大きく出ていたところがありました。まずは「子どもがなぜ今そうしているのかな」と子どもの思いに近づいてから、保育者は関わっていこうと考えました。
青山:
具体的にはまず一番に変わったのは、先ほどあがっていた園庭だと思うのですが、どんな風に変わっていったのでしょうか。
野﨑:
だだっ広い平面だったので、園庭の真ん中に築山を作りました。
赤土を盛っただけの山なんですが、土曜日に保護者にも自由参加で参加してもらって一緒に築山を作り、子どもが遊ぶと減るので、また土を盛るというのを3回、4回繰り返して大きな築山になりました。
青山:
園庭の真ん中に築山ができて、子どもたちの姿はどう変わりましたか?
野﨑:
砂場での遊び、築山での遊び、周囲の草花での遊びと、遊びがそれぞれ区切られるようになりましたね。それまでは平面だったので、走り回るとか、ボール遊びとか、お互いの遊びがぶつかってしまう。用具も広がってしまう。でも築山ができたことで、そうしたこともなくなっていきました。
青山:
園庭の真ん中に築山ができ、遊びがゾーニングされたのですね。
私が見てて思うのは、裸足になったり、暑いと上着を脱いで遊んだり、水遊びもすごく増えたり、子どもたちがとても開放的になりましたよね。
保育者はどうですか?子どもたちがのびのびと遊ぶようになって、保育者たちの様子は変わりましたか?
野﨑:
保育者も一緒に遊ぶようになったと感じます。めいっぱい遊ぶ子どもの横で、保育者も見ているだけではいられないというか。保育者自身が心を解いていかないと、子どもに注意しがちになってしまいますよね。一緒に遊んでこそ、その子の気持ちもわかりますから。
青山:
ののはなの保育者さんたちは元気のいい方が多い印象ですが、一方で子どもへの声かけがとても柔らかく、穏やかになってきていますよね。
今のお話を伺うと園庭改良にみんなで取り組む中で、園庭へのアクセスの良さという、もともとある保育環境の強みが引き出されているんだということがわかりました。
青山:
そういう保育が変わっていく時に、保護者とのコミュニケーションがいろいろあると思うのですが、今ののはなが取り組んでいる「ののわっか」についてお話してもらえますか?
野﨑:
「ののわっか」は月に1回くらい、金曜の夜に開催しています。ご飯持ち寄りで、お迎えがてらに自由参加でおしゃべりする会です。保護者と保育者で、また保護者同士で、なかなか日常だけではおしゃべりする時間がたくさん取れないので、「子どもたちの様子をたくさんおしゃべりしたい!」という思いから始まりました。保護者は買ってきたお弁当とかを持参してもらって、園からは簡単なスープだけを提供し、金曜日の夜の時間を一緒に過ごしています。
青山:
この前は、U字溝に炭を入れて、職員も保護者もごちゃ混ぜで、わいわいといろいろなものを焼いたりしていて、楽しそう!と思いました。
野﨑:
保育者側がサービスするわけではなく、「暑いから流しそうめん、やっちゃおう!」みたいに一緒に楽しむ感じですね。炭で焼いて食べるのも、保育者側から「やりたい!」という声が上がり、それで保護者と一緒に実現できています。
「ののわっか」でたくさんおしゃべりすることで、子どもの姿を保護者に伝えることができ、保護者に園の保育を分かち合えている部分も大きいと感じています。
青山:
印象的だったのは、夏祭りのときに、わたあめに長蛇の列ができて、みんなが待たなきゃいけないとなったときに、ある保護者の方がステージに立って、歌を歌って盛り上げてくれたことがありましたよね。行事が園からの一方的なものではない感じがしました。
次にチャレンジしていることが何かあれば教えていただけますか。
野﨑:
今は室内環境にも力を入れています。室内も、子どもや保育者にとって「居心地のいい場所にしたい」と職員で話しています。保育時間が長いので、ゴロゴロできたり、ボーッとできたり。花や緑を見ながら気持ちが休まるといいなと思って取り組んでいます。
青山:
ののはなは職員の学ぼうという熱量もすごいですよね。自主的に研修に10人、15人とたくさん集まるし、室内環境を変えようとか、園庭環境を変えようといったときに、職員たちのエネルギーがすごく真っ直ぐで、生き生きとしていますよね。職員集団の活きがいいというか。
試行錯誤しながらですが、例えば職員同士でラジオ(Podcast)をやって発信していこうとか。そういうアイデアもどんどん出てきているので楽しみだなと思います。
野﨑:
ドキュメンテーションを書いて保護者へ共有することも始めていますが、みんなわからないところからスタートしているので、学びたい思いがすごく強いと思います。
そんなふうに保育に向かって取り組みながら、プライベートな話も結構しますね。その人がわかるというか、実は私は家でこんな植物を育てているから持ってくるねとか。
青山:
今、野﨑さんと一緒に新しいことに取り組んでいて、自分たちももっともっと学びたいという思い、その中でお互いのプライベートな話もしながらっていうのは職員集団としてもう一個新たな関係性の深まりも感じました。ステージに入っていく。
何よりも子どもたちが走り回り、泥んこになって遊び、子どもも大人も楽しそうな声が園の中に響き渡っているなと感じています。
ののはな文京保育園 施設長 野﨑亮子
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