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保育士がプロジェクトマネージメントを学んで、フェスを開催する?!4年目を迎えた分野別研修

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2022/07/21

分野別研修とは、東香会が運営する6つの施設を横断して職員が学び合う研修プログラムです。2022年度は分野別研修が始まって4年目で、6つのテーマ毎に参加者がグループ分けされて年間で数回開催されます。

今回は「仕事の進め方〜プロジェクトマネージメント」をテーマにしたグループの第一回目の研修会の模様をレポートします。


プロジェクトマネージメントとは、「目的を成功させるために、限られた納期、予算、人員などの条件の中で、細かな計画を立ててコントロールしていく手法」です。ビジネスの世界において製品サービス開発のために使われることが一般的なので、保育士が学んで身につけることはちょっと意外に思われるかもしれませんが、保育の周囲にある業務環境の改善やイベントの準備運営などを円滑に進めるためにはプロジェクトマネージメントスキルが大きな助けになります。

この日に集まった5名の参加者の職場はそれぞれ別の施設なので、初めましての人同士もいて自己紹介から始まりました。メンバーの一人がコーディネーターとして研修を進行していき、上町しぜんの国保育園の青山園長がアドバイザーとなり、東香会本部もサポートとして参加しています。

まず、それぞれの参加者から「仕事がうまく進められなかった体験談」を発表していきました。

・先輩から仕事を依頼されて、喜んでもらいたい気持ちばかりが高ぶってしまい、期日通りに全然進められなかった。

・いま、この遊びをしたい」と子どもからリクエストされたタイミングではモノを準備できておらず、準備できた頃には子どもの関心は他に移ってしまっていた。

・同僚の保育士の間で役割分担したものの、期日までに全てが進んだわけではなく、間に合わせるために結局は1人に負担が偏った。

などなど、日々の保育の職場で起こりうる、あるあるネタが次々と飛び出ました。では、なぜ、そのような仕事の進め方がうまくいかなくて問題が発生してしまったのか?それはどうすれば解決できるのか?について考えを巡らせました。

その一つのヒントとして、プロジェクトマネージメントがあります。

研修会では、童話の「3匹の子ブタ」を題材にしたプロジェクトマネージメントの参考書籍が紹介されました。藁の家/木の家/レンガの家それぞれに取り組んだ兄弟たちが、どのような考えとやり方に基づいて家づくりを進めていったかという内容です。チームで協力しながら困難に立ち向かい、きちんと計画することでトラブルを未然に防ぎ、最初に決めた目標を達成して成果を出す流れがわかりやすく解説されています。

童話でわかるプロジェクトマネジメント

次に、本部職員が作成した「イベント企画運営すごろく」が紹介されました。これは本部がこれまで担当してきた実際のイベント企画運営で培ってきたノウハウをまとめたもので、どんなステップで企画を進めて、それぞれのタイミングで何を確認しなければならないかを時系列に整理したものです。研修参加者が企画の途中で迷子になった時の道しるべとして使って欲しいそうです。

さらにアドバイザーをつとめる、上町しぜんの国保育園の青山園長からは、イベント企画運営はもちろんのこと、仕事で新しい取り組みや改善活動を進めるコツとして、きちんと計画することに囚われすぎるのではなく、「まずはやってみることも大切だ」というアドバイスもありました。

これは、PDCAサイクル「Plan→ Do→ Check→ Action」に工夫を加えたもので、「まずはボンヤリとPlan→そして小さくDo→Check→Action」とすることで、仲間や関係者の理解を得やすくして、Planの実証性を検証するやりかたです。

次に、上町しぜんの国保育園の運動会は、「おとなが練習させて、やらせる運動会」ではなく、4、5歳児が自分たちでミーティング(対話)を通して、プログラムを考える、という企画の進め方が他施設の参加者に紹介されました。

ステップ① 情報共有

運動会の目的や自分たちが何をしたら楽しくなるかを子どもたちに話して共有する。しっかり聞いて理解している子どももいれば、そうではない子どももいるので、視覚化するなど、しっかりと情報共有できる工夫をしていく。

ステップ② 拡散

自分が楽しいと思うアイデアを出せるだけ広げてみる。いわゆるブレインストーミングであり、ここでは意見の取捨選択をせず、なるべくたくさんのアイデアを出してみる。

ステップ③ 収縮

諸条件に合わせてアイデアを絞り込んでいく。上町の運動会での条件は「1.自分がやって楽しいこと、2.みんなができること、3.観に来る人がわかること」 一見、無理だと思っても工夫して実現させる頭の柔らかさが重要で、これは日々の保育業務でも大切なこと。for 子ども ではなくて、with 子ども の視点に立つことが必要。

この日の研修会の後半では、コーディネーターの保科さんから「2022年12月に東香会の職員を集めたフェスを開催しよう!」というプランが提案されました。この研修会グループのテーマ「仕事の進め方〜プロジェクトマネージメント」を学び実践する場をフェスの企画運営にしようという考えです。

東香会はそれぞれ離れた場所に6つの施設を運営しており、今回の研修会のように横のつながりはあるものの、一堂に集まることや他施設について知る機会が少ないので、東香会の仲間みんなで集まって楽しいことをやりたいという課題背景がありました。

フェスの開催は12月に町田のしぜんの国保育園で開催することが仮決定され、フェスを盛り上げるためのアイデアを挙げていくことになりました。研修会参加者が、自由に考えて付箋紙に書き出して、次々とホワイトボードに貼り出して、コメントしていきます。

最後に確認事項を整理して、担当分けが話し合われました。詳細の進捗状況は、チャットツールやオンラインミーティングで補いながら、次回の対面研修会は9月に開催される予定です。

このように、東香会では分野別研修を通して、施設横断型のスキルアップに取り組んでいます。