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保育セミナー「うたげと初心」の全体企画監修 青山誠に聞く

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2023/09/27

2023年11月11日(土)・12(日)に保育セミナー「うたげと初心」を開催します。今回はその目的や内容について、全体企画監修の東香会 理事 青山誠へのインタビューをお届けします。

保育セミナー「うたげと初心」開催概要

■開催日時
2023年11月11日(土)・12日(日) 10:00–16:30(12日(日)は–16:00)
オンライン開催 *両日とも見逃し配信あり

■出演者(敬称略)

・11日(土) 集中セミナー「うたげ」
鈴木ひでひろ(社会福祉法人わこう村 和光保育園)
三谷大紀(関東学院大学教育学部こども発達学科)
溝口義朗(東京都認証保育所ウッディキッズ)
岩田恵子(玉川大学教育学部)
名古屋彩佳(社会福祉法人東香会 渋谷東しぜんの国こども園)
阿部仁美(社会福祉法人東香会 上町しぜんの国保育園)
青山誠(社会福祉法人東香会)

・12日(日) 集中セミナー「初心」
久保山茂樹(国立特別支援教育総合研究所)
宮武大和(学校法人創造の森学園 札幌トモエ幼稚園)
汐見稔幸(一般社団法人 家族・保育デザイン研究所)
齋藤紘良(社会福祉法人東香会)
青山誠(社会福祉法人東香会)

■ライブビューイング会場一覧(11日(土)のみ)
【札幌会場】札幌トモエ幼稚園 北海道札幌市南区
【佐渡会場】沢根保育園 新潟県佐渡市
【会津若松会場】とうみょう子ども園 福島県会津若松市
【東京会場】上町しぜんの国保育園 東京都世田谷区
【静岡会場】小豆餅ゆすらうめこども園 静岡県浜松市
11日(土)は上記の園でライブビューイングを同時開催します。お近くの方はぜひご参加ください。

チケットお申し込みはこちら(Peatixのサイトでご購入ください)

保育セミナー「うたげと初心」公式サイト

「うたげと初心」プレイベントを10月に開催!(参加無料)

なぜ、今回の企画をやりたいと思ったのか? 保育者の育成の困難さ

今回の企画を立ち上げた理由は、日本の保育現場における保育者の育成と継承の課題に対する関心からです。
現在、全国の保育園では継続勤務年数が長くなく離職率の高い傾向があります。

要因としては、女性の保育者が多いため結婚や出産のタイミングでの退職が多いことと、社会問題化している給与処遇や労働環境の問題があります。その結果、保育の技術や知識、子どもの見方など、経験豊富なベテラン保育者が培ってきた職人的なノウハウが継承されにくくなっています。これらを学んで身につけて継承していくには多くの時間と労力がかかります。日々の保育現場の忙しい業務の中で研修や会議のための時間を捻出することは困難です。
また、それぞれの保育園で知恵を絞って取り組んではいますが、一つの園の中だけでは解決できなくなってきています。

そこで、 自分たちの保育の現場から出てきた問いについて、「他の園ではどうしているの?」と外にも投げかけて、それぞれ異なる角度からアプローチしている実践者や研究者の声を集めてみんなで対話したいと思い、「うたげと初心」を開催することにしました。

「うたげ」と「初心」

セミナーは2日間で7つのテーマについてオンラインで開催します。

1日目のテーマは「うたげ」です。うたげとは、みんなが集まって楽しむ場のことを言います。それぞれ地域も立場も異なる人々が集って、テーマについて対話を紡いでいきます。

この日はオンライン参加の他にも、ライブビューイング参加の方法があります。
ライブビューイング会場は、札幌トモエ幼稚園(北海道札幌市)、沢根保育園(新潟県佐渡市)、とうみょう子ども園(福島県会津若松市)、小豆餅ゆすらうめこども園(静岡県浜松市)にご協力いただき、上町しぜんの国保育園(東京都世田谷区)でも開催します。それぞれのライブビューイング会場では対面での参加者同士の交流も予定しています。場の空気を体感されたい方はぜひこちらにご参加ください。

2日目のテーマは「初心」です。東香会の齋藤謹也理事からの「保育を深めることも大事だけれど、初心を確かめることも大事なのではないか」という投げかけがきっかけです。

自分が初めて保育者になったころ、子どもと関わる時に感じた緊張やワクワクの初心を振り返る研修の機会があっても良いと思い企画しました。保育の実践の場で湧き上がった問いについて、みんなで確認して理解を深めて、再び実践へと還っていくような内容にしたいと考えています。

11月11日(土) 「うたげ」の各講座について

①まちと、むらと、保育とコミュニティ
鈴木ひでひろさん社会福祉法人わこう村 和光保育園
三谷大紀さん関東学院大学教育学部 こども発達学科
名古屋彩佳社会福祉法人東香会 渋谷東しぜんの国こども園

この講座では、「保育とコミュニティ」をテーマに、保護者や地域と一緒にコミュニティを育んでいくことについて、2つの異なるタイプの園を紹介しながら探っていきます。

千葉県富津市にある「わこう村」は、古民家のようなぬくもりがある園舎で、「むら」という名称の通り、コミュニティ作りを大切にされています。お父さんたち主催でお泊まり保育をやるなど保護者とのつながりが濃い園です。

一方の「渋谷東しぜんの国こども園」は、大都会の「まち」の中でユニークなコミュニティを育んでいます。子育てひろば BUTTERカフェ(small alley cafe 公益サロン)が併設されており、地域コミュニティとの交流を実現しています。

「まち」と「むら」の対照的な園を並べてみて、保育者への研修も多々行われている三谷大紀さんに「保育とコミュニティはどのように関わり合い、それが保育を豊かにできるか?」という問いを一緒に考えていただきます。

「自然豊かな郊外だからこそできること」「多様性ある人が集まりやすい都会だからこそできること」という理由で、他の場所では無理だと思い込まれてしまいます。しかし全国のどんな地域や環境の中でも、自分たちに合ったコミュニティを作っていける可能性はあるでしょうし、そのために保護者や地域の人にどう関わってもらうのかのヒントが生まれてくるでしょう。

②乳児から見えてくる世界
溝口義朗さん(東京都認証保育所 ウッディキッズ)
岩田恵子さん玉川大学教育学部
阿部仁美社会福祉法人東香会 上町しぜんの国保育園

この講座で考えを深めていきたい問いは「赤ちゃんはどのように世界を認識して見ているのか」についてです。

赤ちゃんは外部の情報を受動的に受け取っているだけの存在ではなく、能動的に情報を選び取っているということがだんだんと明らかになってきています。言葉を話せない赤ちゃんが何を見てどう感じているのか、それに対して私たち保育者はどのように関わっていけばいいのか。赤ちゃんの不思議と豊かな世界を探索してみたいと思います。

東京都あきる野市にある認証保育所 ウッディキッズ代表の溝口さんは、乳児から見えている世界を追求していて、赤ちゃんについて語らせたら一番面白い人です。上町しぜんの国保育園の阿部さんも日々乳児と関わっています。ウッディキッズも、上町しぜんの国保育園も、0〜5歳児の異年齢保育をしています。きっと、同年齢保育で見られる乳児の姿とは異なる点もあるかと思います。
今回は、その点も含めて、研究者の岩田恵子さんに加わっていただき、それぞれの視点をもちよって対話ができるといいなと思っています。

③幼児保育のうたげ
青山誠(社会福祉法人東香会)

子どもたちと作り上げる保育は、「うたげ=祭り」に満ちています。そこには群れとしての集団の力が発揮され、保育者の想定を予測を超える偶然の出来事が次々と起こります。
保育者は真面目な人が多いので、予定外のことが起こることを恐れる傾向があります。でも、保育者の計画通りに行事や日々の保育を淡々と実施するのでは面白くありません。

人が集まれば、良いこともそうでないこともいろいろと起こるのが当然です。
子どもと保育者、子ども同士の関係性は時間の流れの中で変化していきます。保育のなかでお互いが響き合って、また次のことが起きていく。そんな豊かな世界を一緒に楽しみましょう。

1日目は、こちらから各地のライブビューイング会場へも投げかけて、活発なセッションにしていければと思いますし、園を超えて新しい人と出会うきっかけにしてもらえれば嬉しいです。

11月12日(日) 「初心」の各講座について

①インクルーシブ保育の初心
久保山茂樹さん国立特別支援教育総合研究所 インクルーシブ教育システム推進センター

2日目のテーマは「初心」です。保育や子どもに関わることの初心を問い、探究していきます。保育者を続けていく中で、ぼんやりとしか理解していないこと、いまさら他の人に聞くに聞けないこと、そういうことは本にも書いてないことがしばしばあります。

その一つ「インクルーシブ保育」とは、「健常と障害」というように分けて考えるのではなく、どうしたら様々な違いを抱える私たちがともに暮らせるかを実践する思想だと思っています。保育現場で実践していくには、何を初心としてまず心得ておきべきなのか、インクルーシブ保育を実践の現場の方々とともに研究なさっている、久保山茂樹さんにお話いただきます。

久保山さんの活動については、国立特別支援教育総合研究所の動画をご覧ください。

②子どもと芸術の初心
齋藤紘良(社会福祉法人東香会)

「子どもの成長のためには、芸術や表現が大切」とはよく言われますが、芸術(アート)というと特別な人でないと語れない、アクセスできない、というイメージがあるかと思います。敷居を高く感じてしまい腰が引けてしまう保育者も多いのではないでしょうか。
芸術とは本来、子どももおとなも自然と身近にあり、自分の中から湧き上がってくるものだと思います。でもそれを「保育の中で」どのように活かしたらいいのか、子どもと形作っていけばいいのか。

東香会理事長であり音楽家でもある齋藤紘良とともに、子どもの創造的思考 Creative Mindと芸術への取り組みについて一緒に考えてみませんか。

③わたしの「子どもと初心」
宮武大和さん学校法人創造の森学園 札幌トモエ幼稚園

札幌トモエ幼稚園は、子どもと一緒に保護者も毎日通って良い幼稚園です。毎日、たくさんのお母さん、お父さん、おじいちゃんやおばあちゃんもやってきます。新聞を広げて読んでいる人もいたり、パソコンを広げてリモートワークをしたり、友人の髪を切ってあげたり、大鍋を抱えてやって来て料理をする人もいます。

宮武大和さんは保育の傍ら、写真を数多く撮影し、その写真は「エデュカーレ」などの保育雑誌の表紙写真などでご覧になっている人も多いかと思います。保護者とともに園をつくる日々で、カメラを通して、また日々の関わりを通して、宮武大和さんは何を思い子どもたちと接して、何を立ち戻る初心としているのか。若い保育者の方々に限らず、ベテランの保育者の方にとっても参考になると思います。

④子どもと自由
汐見稔幸さん一般社団法人 家族・保育デザイン研究所
青山誠(社会福祉法人東香会)

2日間の締めくくりは、日本の保育界を牽引されている汐見稔幸さんに「保育と自由」というテーマについてお聞きします。

わたしが保育者になった20数年前、子どもと関わることは「自由」と関わることでした。少なくとも、保育をしていてわたしのなかには「自由」を感じることが多々ありました。
しかし、時代の変化と共に保育現場は管理統制の場へと変質しつつあります。特にコロナ禍においてそれは顕著になってきました。人が育つ場が、過剰に管理統制が叫ばれる場であっていいのか、違和感と危機感を覚えます。きっと同じ気持ちを抱える保育者の方もたくさんいるのではないでしょうか。

「保育と自由」は大きなテーマですが、汐見稔幸さんに歴史を貫く視点、また現状を乗り越えてこれからの展望、わたしたちが考えるべきことをお聞きし、対話してみたいと思います。

青山誠

保育セミナー「うたげと初心」全体企画監修 青山誠

保育セミナー「うたげと初心」開催概要

■開催日時
2023年11月11日(土)・12日(日) 10:00–16:30(12日(日)は–16:00)
オンライン開催 *両日とも見逃し配信あり

■出演者(敬称略)

・11日(土) 集中セミナー「うたげ」
鈴木ひでひろ(社会福祉法人わこう村 和光保育園)
三谷大紀(関東学院大学教育学部こども発達学科)
溝口義朗(東京都認証保育所ウッディキッズ)
岩田恵子(玉川大学教育学部)
名古屋彩佳(社会福祉法人東香会 渋谷東しぜんの国こども園)
阿部仁美(社会福祉法人東香会 上町しぜんの国保育園)
青山誠(社会福祉法人東香会)

・12日(日) 集中セミナー「初心」
久保山茂樹(国立特別支援教育総合研究所)
宮武大和(学校法人創造の森学園 札幌トモエ幼稚園)
汐見稔幸(一般社団法人 家族・保育デザイン研究所)
齋藤紘良(社会福祉法人東香会)
青山誠(社会福祉法人東香会)

■ライブビューイング会場一覧(11日(土)のみ)
【札幌会場】札幌トモエ幼稚園 北海道札幌市南区
【佐渡会場】沢根保育園 新潟県佐渡市
【会津若松会場】とうみょう子ども園 福島県会津若松市
【東京会場】上町しぜんの国保育園 東京都世田谷区
【静岡会場】小豆餅ゆすらうめこども園 静岡県浜松市
11日(土)は上記の園でライブビューイングを同時開催します。お近くの方はぜひご参加ください。

■料金
二日通し券:個人 10,000円 団体 40,000円(同一団体所属の方)
※11日(土)ライブビューイングに参加される方は、別途ライブビューイング参加券(1,000円/人)をご購入ください
チケットお申し込みはこちら(Peatixのサイトでご購入ください)

保育セミナー「うたげと初心」公式サイト

「うたげと初心」プレイベントを10月に開催!(参加無料)