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施設を飛び超え、新たな学びを見つける分野別研修

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2021/11/16

東香会では、運営する各施設*の枠を飛び越えて横断的にコミュニケーションを取りながら、保育の様々な分野について理解を深めることを目的に、2019年より毎年「分野別研修」を行っています。今年は「睡眠」、「食事」、「仕事とは」など8つのテーマを設定し、それぞれ3回にわたって、各自が興味のある分野を探求しました。

*しぜんの国保育園(町田市)、成瀬くりの家保育園(町田市)、ののはな文京保育園(相模原市)、上町しぜんの国保育園(世田谷区)、渋谷東しぜんの国こども園(渋谷区)、山崎学童保育クラブ(町田市)の6施設。

その中でも、ここで取り上げるのは「エピソード記述・トーク」というテーマです。保育において、大切な記録となる「エピソード」。記述に際し、子どもを「対象」として見るのでなく、「その子が見ている風景を見る」ことこそが要になります。子どもたちと一緒に生活している保育者は、日々の生活の中で、それぞれの子どもが興味を持ったことや、身体と心の動きなどを「エピソード」として丁寧に綴ります。保育者自身の子どもに対する理解と意識が深まることはもちろん、1人ひとりの成長や生活ぶりを同僚や保護者に伝えることで、その場にはいない他の大人とも、その日にあった出来事をより身近に分かち合うことを可能にします。

6施設からそれぞれ1名ずつの保育者が集い、上町しぜんの国保育園の青山園長がこのテーマのオブザーバーを務めました。

最後の一回はオフラインで。オブザーバーとしてエピソード記録についてアドバイスする青山園長


最初のセッションでは、「エピソード」とはそもそも何かという基本的な考え方を話し合いました。「一人ひとりをちゃんと見ることで、その子が一日何をしてきたかを分かちあえる。“正しい”保育は相手も身構えるもの。“正しい”保育ではなく、楽しい保育を」、という青山園長の言葉に、一同も頷きます。

コツを掴むためまずは前提条件・具体的な描写・執筆者の気付き、といった3段構成の「型」に従った記録を実践。毎回自らの「エピソード」を発表し、互いに感想を述べたり質疑応答する時間を持ちました。各々働く場所や施設の特徴は違えど、子どもたちとの過ごした中で得た気付きや悩みに共感し、地域ごとの独特の取り組みも紹介され、新たな発見と刺激の場になっていました。

今年はオンラインでのセッションがメインでしたが、新型コロナ感染症の状況が落ち着いた最後の1回だけは対面で実施。実際に相手の反応を見ることで、「伝えたい」という気持ちが温まり、その気持ちが話し方をよりよくするという実感を得た、という感想も聞かれました。この研修での体験は、法人全体の発表会で、研修に参加していなかった他の職員にも伝えられる予定です。

研修の課題から 保育者のエピソード「Nちゃんと小石」

Nちゃんは、0歳児 (4月生まれ)。近くの公園に散歩に出かけた。私自身、散歩はとても久しぶり。Nちゃんはほぼ初めてに近い。3ユニット合同で出かけたため、私のユニットからは子ども3人と大人である私だけ。

(だっこして〜)
(そばにいて〜)

と、涙を流して私に抱きつくNちゃん。 なんかないかな〜と ふと足元を見ると、小石がひとつ。  

私:「Nちゃん、みてみて。」
N:「……。」 
私:「あ、こっちにもあった!」
N:「…まんまんまん」 
私:「はい、Nちゃんどうぞ」  
 (Nちゃんの手に小石を乗せる) 
N:「……(じっと小石をみつめる)」
私:「……(Nちゃんの持つ小石をみつめる)」 
N:「まんまんまん!」  
 (小石を私に手渡す) 
私:「ありがとう!」
N:「んふふふ」  

小石を見つけては手に乗せてやりとりをする。 流していた涙はいつの間にか止まっている。

さて、帰り道。疲れと、空腹と、 私ではなくKさんの抱っこがよかったのとで、 「うわーん!」と泣きながら帰ってきた。「そうよね〜、疲れたし、お腹すいたし、Kさんがよかったよね〜」、なんて話しながら着替えようとしたその時。Nちゃんの左手から、ころん…  小さな小さな小石が落ちてきた。
ああ、こんなに大事に 持って帰ってきてたんだ。Nちゃんは今日の時間を、あの瞬間を、 ちゃんと掴んでいたのだ 。そう思った。もしかしたら、たまたま握っていただけかもしれない。だとしても、ずいぶん長い時間握っていた。今日は涙の多い散歩だったけど、 これからたくさんワクワクする世界を一緒に持って帰ってきたい。   


東香会保育者によるその他の保育エピソードは、各施設の園だよりでもご覧いただけます。